園長からのメッセージ

5月のおたより (19.05.14)

長いゴールデンウィークが終わり、幼稚園にも子ども達の元気な声が戻りました。4月の終わり、ようやく幼稚園のある生活に慣れ始めたころに始まった大型連休を過ごして、子ども達はどんな様子で登園するかしらと思っていました。大好きなお母さんとの別れに涙する子どもがいるのは当たり前の姿なのですが、その涙に寄り添う大きい人の優しいまなざしとしっかり繋がれた手と手を見ると、4月に過ごしてきた時間が子ども達の心を育んでいたことが分かります。なかなか泣きやまない子の横で「大丈夫やでとかお母さんすぐ来るよ」などと声をかけ、顔を覗き込み、ティッシュで涙をぬぐいます。時間がたつにつれて、どうしようかと困った顔で保育者をみつめます。保育者が近づき「ありがとう」と声をかけるとホッとした様子で手を離し遊び始める大きい人たちです。

 私はこの連休に東北へ出かけました。観光することで復興のささやかなお手伝いになればと思い出かけました。2日目に南三陸で「語り部バス」に乗りました。1時間ほど、被災した学校や建物、何度も映像が流れた防災センターなどを巡り、当時の様子、これまでの様子や取り組みなどを伝えて頂きました。行ってみないと分からない事、知らない事がたくさんありました。まだまだ日常が戻っていない中で懸命に暮らしておられることが分かり現地を訪れることの大切さを思いました。災害が起こると人の力ではどうしようもないことがありますが、「あの日を繰り返さないために」と言葉で多くの人の心に届けたいという思いを強く感じました。最後に一つ覚えて帰って下さいと岩手県の「津波てんでんこ」という言葉を教えて頂きました。災害時には一人ひとり出来る事をすること、命が護られればその後いつか家族や大切な人に会える時が来る。津波が来たら少しでも遠く、少しでも高い所に避難すること。この言葉を覚えていてほしいと力強く語られました。言葉は生きて相手の心に届きます。生きて届いた言葉はその人の生きる力になるのだと感じた旅になりました。 (園長 藤原睦子)